

平日の午後の公園は直射日光が暑すぎるからか、あまり人がいなかった。
せっかくシャワーを浴びたのに、ちょっと散歩しただけでまた俺たちは汗だくになった。
花音は視界に入る遊具に手当たり次第に乗っていった。
あまり運動神経はいいほうではないらしい。
鉄棒では逆上がりに失敗し、一人でシーソーに乗って真ん中に立ち、左右対称にバランスをとろうとしては、自分がバランスを崩して落ちてしまっていた。
ブランコは得意のようだった。
子供用のブランコでも、花音の小ぶりなお尻はすぽっとはまった。
俺は遊具と戯れる花音をひたすら一眼レフにおさめた。
カメラを持ち出したのは久しぶりだった。
撮りたいと思うものが今までの俺の生活にはなかったんだということを実感した。
花音は立っていても座っていても揺れていても絵になり、撮っても撮っても飽きなかった。
ブランコに揺られながら花音は不満そうに言った。
「ホントのこと言うと写真って嫌い」
そんなことを言われても、俺は写真を撮る手を止めない。
「なんで?」
「写真映り悪いんだもん」
「いつもムスッとしてるからじゃない?」
花音はぴょんとブランコから飛び降りると、ずんずんと俺の目の前までやってきて、レンズの前でイーッとした。
俺は笑ってシャッターを切った。
花音はカメラ前から顔をずらし、突然遠くを指差した。
「ねえ、あれ食べたい」
指差した先にはソフトクリームの屋台があった。
俺が返事する間もなく、花音は軽い足取りで屋台に向かっていた。