
#06「Lie」-1
月末のテストの結果、私と聖子は無事Level4に進級し、また一緒に午後クラスの授業を受けることになった。
シンウォンもLevel4に進級したけれど、八時半から十二時までの午前クラスに移った。
シンウォンは韓国料理レストランで厨房のアルバイトをしているらしく、忙しいランチタイムに店に出られるよう、以前から午前クラスを希望していたらしい。
セントラルパークでのレクリエーションから、顔を合わせるのが気まずかったから、正直ほっとした。
余計な気を使ったり、あからさまに避けたりするのは好きじゃない。
けれどたまに、午前の授業が終わってエレベーターで降りてくるシンウォンとばったり会うことがある。
”Hi Yuri, I still love you.”
シンウォンはまるで挨拶の様にその言葉を使う。
日本人にとって特別な「愛してる」という言葉は、国が変わればそんなに特別なものじゃないのかもしれない。
韓国人のクラスメイト、ジースーに尋ねたら、”No way!”って思いっきり否定していたけれど、きっとシンウォンにとってみれば、挨拶みたいなもんなんだ。
そうだ、そうに決まってる。
